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2020.09.18
代表ブログ
家相はこだわるべき?
こんにちは、代表の大塚です。
「家相(かそう)」って聞いたことありますか?
最近は以前と比べるとあまり聞かなくなった言葉ですが、家相とは元々は奈良時代に中国から入ってきた環境学で、江戸時代に日本で独自に進化した間取りの考え方です。日本はごく最近まで家相の考え方を積極的に採用して間取りが考えられてきた事もあり、家相を考慮して家を計画される方も多いと思います。
そこで、今回は一級建築士でもある私の視点から見た、家相による間取りの考え方についてメリットとデメリットをお伝えしたいと思います。
なぜ家相が重視されてきた?
日本で家相が重視されてきたのは、日本の昔の住まい環境に理由があります。今でこそ上下水道などの設備や冷蔵庫などの便利な家電が当たり前になっていますが、江戸時代などはそんな便利なものがありません。そのため、トイレはくみ取り式の便所で食物は常温保存というのが昭和の時代に入るまで当たり前だったのです。
その様な時代に住まいを新築をする場合、自然条件に適応することを前提に間取りを考えないと不快な環境になってしまいます。例えば日当たりがいいところにトイレを計画すると、トイレの脇にある肥(コエ)溜めの温度が上がり虫が湧きやすくなり臭いもひどくなってしまいます。また、日当たりが悪いところで水廻りのがあると、湿気で家が腐りやすかったり、カビが生えるなど衛生面で問題が起きやすくなる問題がありました。
しかし、その考えを皆が理解することは難しかったため、方位ごとの部屋の良し悪しに対してルールを作ったものが家相です。特に江戸時代など、家相は家づくりで失敗しない法則の教科書のような存在であったため、一般に広く知られ重視されてきた経緯があります。
家相は現代の家づくりでも重視するべき?
結論から言うと、私は家相は重視しないほうが良いと思います。理由はシンプルで、家相が作られた根底にある自然環境への問題は、現代の住宅設備や電化設備を採用することでクリアできてしまうからです。制約に縛られない間取りを実現できるのが一番のメリットです。
その上であえて家相を考慮することに対するメリットとデメリットは下記です。
家相を採用する場合のメリット
・家相を考慮することが親族の勧めであったりした場合、心理的に安心できる。
家相を採用する場合のデメリット
・複数の流派があり、家相を見る人によって判断が少しづつ異なるため明確な正解は存在しない。
・間取りの自由度に対してかなり成約を受けるため、希望を取り入れると建物面積が大きくなりやすい。
・考慮されるのは家の間取りのみで土地条件はあまり考慮されないため、家相をクリアしても科学的にメリットがある家とは言い切れない。
もし家相を考慮したい場合には
家相は下の画像のような方位ごとの良し悪しが記載された「方位盤」を使いながら見ていきます。この方位盤には方位ごとの部屋の種類の良し悪しが細かく書かれていて、敷地の方位と間取りがあれば家相的にどんな状況なのか簡単に見ることができるようになっています。
また、家相を見てくれる専門家の方もいますのでそういった方に見てもらうのもいいですね。家を建てる前に、家相がどんなものか知っておくことはとてもオススメです。大得工務店でも家相を考慮したプランニングは対応しておりますのでご興味があればお問い合わせ下さいね。